Webデザイン学科
授業資料

グラフィックデザイン
幾何学形

概要解説

幾何学形の特性を理解し、音やリズムの強弱を幾何学形で表現して、
オリジナルの CD ジャケットとレーベルを作成してみましょう。

前提知識・技術

  • Illustrator の操作
  • デザインの四原則
  • 音楽やリズム(音の強弱)を捉える力

授業目標

幾何学形をグラフィックデザインのパーツとして捉え、活用することができる。
平面の中に、リズム感を与えることができ、見る人に伝えることができる。

授業資料

リズム

時間的要素を持たない造形作品においても、リズムは反復された形態や構造、連続する線、断続する線などに求められる場合が少なくない。
作品そのものは静止していても、それを視る視線が、そういう線や形や形態要素の配列をたどること、すなわち視線が時間的に運動することがリズムを感じさせるといって良い。
by デザインの基礎/山口正城・塚田敢 著

課題「幾何学形」CD ジャケット&CD レーベル

  • 【ロック】【クラシック】【ジャズ】【トランス(クラブ音楽)】【アニソン】【演歌】などから1つ選び、アーティストと曲を選曲してください。
  • 幾何学形を利用して各曲のリズム、歌詞に合うジャケットとレーベルを制作しましょう。
  • サイズ:CD ジャケット(120mm×120mm)、CD レーベル(116mm)
  • 色:4C(CMYK)
  • 提出物
    1. フォーマットに必要事項を明記。
    2. 音源も準備(Youtube のリンクなど)
  • CD ジャケット&レーベルデータのダウンロード
  • 締め切り:2022 年 6 月 16 日(木)1 限目に印刷・講評
  • 音源提出:2022 年 6 月 9 日(木)00_name_music.txt(00 は出席番号、name は名前) に下記を記述し、f81srv サーバーへ提出。
    1. 曲名
    2. アーティスト名
    3. 音源リンク

Music Video

Music Video は、音楽のリズムと雰囲気を伝えるために幾何学形やアニメーションを利用しているものが多くあります。
今回は、自分の感覚をアウトプットするための課題なので、影響を受けすぎないようにしてください。
もちろん、実際の CD ジャケットやレーベルからの影響も考慮しましょう。

矢野恵司 「楽譜と図形」

図形譜

図形譜(ずけいふ)とは、五線譜ではなく、自由な図形などを用い書かれた楽譜。
現代音楽の作曲現場でしばしば使われる。図形楽譜とも呼ばれる。

五線譜では表現しきれない新しい音楽を創造する手段として、あるいは既成の概念を打ち壊す作業の一環として現代音楽作曲家が競って図形譜による作曲を試みた。ジョン・ケージなどによる偶然性が関与する「不確定性の音楽」あるいは、伝統的な西洋音楽の価値観を覆す偶然性を音楽に用いる手段ともされた。 図形や、文字、絵画なども使用され、時には旧来の音符や五線譜も使われる。線が複雑に交錯したり、時には時間の経過も左から右と限ったわけでなく、あるいは天地左右もなく自由自在に書かれる。 このため、演奏家の解釈により二度と同じ音楽にはならない場合が多く、即興性が高くなる。また楽器の使用も指定されないものもある。 (Wikipedia

共感覚

音や数字、文字などに、色彩などほかの感覚が一緒になって感じられる人がいます。
「共感覚」と呼ばれる現象です。

共感覚(きょうかんかく、シナスタジア、synesthesia, synæsthesia)は、ある刺激に対して通常の感覚だけでなく異なる種類の感覚をも生じさせる一部の人にみられる特殊な知覚現象をいう。
例えば、共感覚を持つ人には文字に色を感じたり、音に色を感じたり、形に味を感じたりする。(Wikipedia

全ての人が持っている感覚ではありません(人の約 4%という研究もある)が、自分の感覚を再認識してみましょう。

音源

  1. https://www.youtube.com/watch?v=W2uPMK1ccps
  2. https://www.youtube.com/watch?v=1fwJ8H5wWCU
  3. https://www.youtube.com/watch?v=be3GQoXPm6s
  4. https://www.youtube.com/watch?v=YYvljlxN8vk
  5. https://www.youtube.com/watch?v=TF6fsJIz9tc
  6. https://www.youtube.com/watch?v=XsX3ATc3FbA
  7. https://youtu.be/xfWnmxUP-PI
  8. https://www.youtube.com/watch?v=uRp8_TQaL5w
  9. https://open.spotify.com/track/7a9kMIG1jgjOM5WtZMDSPg?si=bcff5c44fe364abb
  10. https://youtu.be/OtwHf802dak
  11. https://www.youtube.com/watch?v=jcIOg_m-bp4
  12. https://youtu.be/jiGYiPenBwA
  13. https://www.youtube.com/watch?v=gVsEm_QRWiQ
  14. https://www.youtube.com/watch?v=rBo8CAhbFVs
  15. https://www.youtube.com/watch?v=WQU6dvML8-A
  16. https://www.youtube.com/watch?v=4bn7QIf50RM&list=RD4bn7QIf50RM&start_radio=1
  17. https://www.youtube.com/watch?v=SREjZ-DlxrA
  18. https://www.youtube.com/watch?v=jjDR77ud7zU
  19. https://www.youtube.com/watch?v=tU008dE7ho8
  20. https://www.youtube.com/watch?v=_P-_X_b2CmE

ルーブリック評価票

幾何学形を組み合わせたデザインの課題になります。
加えて、選んだ音楽のリズム感、雰囲気を表現しているかも重要となります。
幾何学形の定義は、「三角形」「方形(四角形)」「ひし形」「多角形」「円形」が基本となります。
幾何学の組み合わせで、その音楽の世界観をデザインしてください。

  • 縦軸=評価項目:観点(提出物、授業態度などに評価対象を分類したもの)
  • 横軸=レベル:尺度(達成レベルをアルファベットや数字で数段階に分けて示したもの)
  • 評価ランクの目安
    • C:課題意図を理解できていない、または技術が大幅に足りない。
    • B:課題意図を理解できているが、表現力・技術が足りない。
    • A:課題内容を理解し、適切な表現がされている。
    • S:適切な処理がされており、さらに優れたアイデアが取り入れられている。

評価ポイント/評価ランク

評価ポイント/評価ランク C B A S
仕様 幾何学の定義が理解されていない。提出作品のサイズ・色数についても仕様通りの作品になっていない。 仕様通りに作られている部分と作られていない部分があり、課題の仕様をすべて理解できていない。 全て仕様通りに作成されており、適切な場所にバランスよく配置されている。 全て仕様通りに作成されており、仕様内で様々な試みがされており、講師も気付いていないアイデアを提案してある。
文字の処理 フォントの選択、サイズ、行間、文字間に処理がされていない。
もしくは、著しく処理が未熟なためバランスが悪くみえる。
アイデアがみられない、もしくはアイデアが不適切。
フォントの選択、サイズ、行間、文字間のどれかに処理がされているが、適切な処理ではないものも含まれる。
アイデアは良いものの技術が未熟。
フォントの選択、サイズ、行間、文字間のすべてに適切な処理がされており、バランスよくレイアウトされている。
よく考えられたアイデアが適切な技術で表現されている。
フォントの選択、サイズ、行間、文字間の扱いの処理に加えて、その処理を施したことにより、他の要素を引き立てる働きを意識的に加えてある。
フォントについても意図的に考えて使用されており説明ができる。
秀逸なアイデアで目を引くものになっている。
幾何学形の組み合わせ 幾何学形が使われていないもしくはわかりづらく、上手く活用されていない。 幾何学形は利用されているが、アイデアが乏しく、試行錯誤の結果としては物足りない。 幾何学形の組み合わせやアイデア・造形に工夫が見られ、配色やタイポグラフィとのバランスも上手くとられている。 幾何学形のアイデア・造形・配色だけでなく、利用シーンを考慮した工夫がされており、バランスも整えられて新しいビジュアルデザインを感じさせる。
トーン&マナー 課題の意図を把握しておらず、色の選択、余白、装飾などの統一感がない。
音楽との雰囲気も合っていないと感じる。
要素の一部には、雰囲気を感じるものの、全体的に弱い。
統一感は見られるものの、大きさのバランス、配色などが崩れている。
課題の意図を把握し、資料などを参考に適切な雰囲気の配色・ビジュアルで統一されている。
また、音楽のリズム感と造形がシンクロしていると感じる。
課題の意図を把握し制作しているだけでなく、さらにテーマに準じた配色・ビジュアルが過不足無く施されている。
その音楽にマッチしているだけでなく、ビジュアルを通じて音を感じることができる。

2022-06-02
Hideo kawaguchi